オーバーヒートからの二次災害
本日、DA64エブリィT/Bのエンジン交換作業を進めておりました。
何故エンジンを交換する事になったかというと根本的な原因はオーバーヒートから始まりました。
メーター内オーバーヒート警告灯点灯、冷却水漏れにてユーザー様よりご入庫依頼。
点検を開始する前は冷却水漏れによる冷却水不足によりオーバーヒート警告灯点灯にいたったのだろうと思っておりましたが点検を開始してみますとラジエター付近に冷却水の漏れた痕跡はあるが冷却系に漏れは無く正常。リザーバータンク内の冷却水の量が少なく本当のオーバーヒートによるオーバーフローで冷却水がリザーバータンク内より流出が判明。
では何故?
更に点検を進めてみるとエンジン内の冷却水温上昇と共に開弁しラジエターへ冷却水を循環開始する弁、サーモスタットが全閉で少しも開かない!(珍しいケースです。)
原因判明。
よってクーリング不良、オーバーヒートに!
サーモスタット交換で修理完了としたいのですが実はユーザー様からの御用命は無かったのですが入庫時に少しエンジン不調を感じておりました。
念のためエンジンの圧縮測定を行うとなんと三番シリンダーの圧縮がほぼない!
オーバーヒートによるヘッドひずみによるガスケット抜け発生!
エンジン交換に至りました。
K6AのT/Bエンジンはデトネーションによる排気バルブ損傷の圧縮抜けは経年劣化でよくありますが、今回はサーモスタット全閉によるオーバーヒートでヘッドガスケットから圧縮抜け中々珍しいケースでした。
ヘッドのひずみ、ユーザー様の車両購入されてからの経過年数、今後の使用用途、修理代金などもろもろ考慮し今回はリビルトエンジンを使用し作業する事になりました。
作業完了までもう少々お待ちください。
A.A